外国人の在留期限と届出期限を漏れなく管理する方法 ― Excel 管理の限界と対策
最終更新日: 2026-10-02
育成就労・技能実習の外国人を何十人も預かる事務所では、在留期限のほかに、計画の認定申請、試験、届出の期限が一人ずつ違う日に来ます。多くの事務所は Excel の名簿を在留期限で並べ替えて追っていますが、それで拾えるのは期限の一部です。ここでは、どんな期限があるのかを公表資料で確かめたうえで、道具によらず使える管理の考え方をまとめます。
追う期限は在留期限だけではない
主な期限と、公表されている時期は次のとおりです。
- 在留期間の更新: 在留期間の満了する日までに申請します。6か月以上の在留期間がある場合は満了する3か月前から申請でき、標準処理期間は2週間から1か月とされています。
- 育成就労計画の認定申請: 育成就労を開始する予定日の6か月前から申請でき、原則として4か月前までに行うことが必要とされています。施行日前申請(2027年3月31日まで受付)では、7か月前から5か月前までの間に行うよう案内されています。
- 試験: 育成就労では、開始から1年以内の1年目試験と、終了までの目標の試験を受験させる義務があります。
- 毎年の報告: 育成就労の実施状況報告は、毎年4月1日から5月31日までです。
- 住居地の届出: 住居地を定めた日から14日以内です。
- 外国人雇用状況の届出: 雇用保険の被保険者になる場合は雇入れの翌月10日まで、ならない場合は翌月末日までです。
Excel の名簿で起きやすいこと
Excel が悪いわけではなく、名簿を1枚の表で持つ形が、期限の性質と合わなくなります。
- 並べ替えの軸が1つです。在留期限で並べると、試験や認定申請の期限は別の列になり、同時には見られません。
- 期限が、基準日からの計算で決まります。許可が下りて在留期限が延びると、そこから先の期限を手で直すことになり、直し忘れた行が残ります。
- 「いつから動くか」が表にありません。期限日は書いてあっても、書類を集め始める日は担当者の頭の中にあります。
- 対応状況が別の場所にあります。書類が揃ったか、提出したか、許可が下りたかは、メールや紙のチェックリストに分かれます。
- 人と企業が増えると、ファイルが分かれます。監理団体ごと、企業ごとにファイルを分けると、今月の全体が見えなくなります。
道具によらず効く持ち方
Excel のままでも、次のように持ち方を変えると漏れは減ります。
- 基準日と期限を分けて持つ。入国日、開始日、終了予定日、在留期限を「基準日」として一人ずつ持ち、期限は「どの基準日の何か月前(何日以内)」という決まりから計算します。
- 期限ごとに、動き始める日を決める。在留期間の更新なら申請できるようになる3か月前、というように、期限日とは別に持ちます。
- 期限ごとに、状態を持つ。書類待ち、準備中、提出済、許可・認定の4つがあれば足ります。
- 結果を入れたら、基準日を直す。新しい在留期限を入れたその場で、次の期限を計算し直します。
- 根拠の資料の場所を残す。期限の決まりごとに、もとにした公表資料を控えておくと、制度が変わったときに見直せます。
- 制度を一人ずつ持つ。技能実習と育成就労では期限の決まりが違うので、どちらの制度の方かを名簿に持ちます。
月に一度の棚卸し
毎月の初めに、今月と来月の期限、期限を過ぎて終わっていないもの、在留期限が90日以内の方を一覧にして、状態を見直します。この4つを同じ日に見る習慣があれば、名簿の持ち方が多少粗くても、大きな漏れは防げます。
企業へ書類をお願いするのも、このときにまとめて行うと往復が減ります。「いつまでに、何を」を、足りない書類の名前と一緒に1通で伝えます。
在留期限管理帳の場合
在留期限管理帳は、上の持ち方をそのまま形にした台帳です。基準日を入れると期限が一人ずつ出て、状態と必要書類の揃いを持ち、許可や認定の結果を入れると次の期限が出し直されます。毎月1日には、その月の期限をまとめたメールが届きます。期限の決まりは公表資料をもとにした参考情報で、行ごとに根拠のページを開けます。
出典
- 在留期間更新許可申請 ― 出入国在留管理庁
- 新規上陸後の住居地の届出 ― 出入国在留管理庁
- 外国人雇用状況の届出 ― 厚生労働省
- 育成就労計画認定施行日前申請 ― 外国人技能実習機構
- 育成就労制度運用要領 第2章 育成就労制度の概要(PDF)
- 育成就労制度運用要領 第4章 育成就労計画の認定等(PDF)
この記事は、上の公表資料をもとにした一般的な説明です(2026-10-02 時点)。施行前の制度は内容が変わることがあります。個別の事案は、所管の機関の最新の資料でご確認ください。
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